ビール、チェコ語、ポーランド語

A record of my love for beer and languages

記憶の仕組みを考える

簡単に覚えられる単語と、いつまでたっても覚えられない単語があります。

自分のスキルを自虐するターンはすでに終わっているのですが、初期の頃はずっと考えていました。なんでこんなに覚えられないのだろうか、と。

 

私の個人的な意見ですが、脳って少しずつ変化していくのですが、時々スマホでいう大規模アップデートが行われます。この時、昔の記憶とかしまい込んでいた記憶がドバッと出てきます。この現象は、個人的には結構ストレスで、しまい込んでいた嫌な記憶とかも含めて一旦テーブルにぶちまけるように出てきます。

 

最近では、この現象が起こることで、脳がアップデートする準備をしている。と俯瞰することができるようになりましたが、それでも嫌な気分になります。

 

これが、今までの話です。

 

この数日で起こっていることは、少し違っていて。

 

もちろん、過去の記憶が湧水のように溢れ出てくることに変わりはないのですが、昔覚えまくった、チェコ語とイタリア語の単語とフレーズが無意識に思い出されること。これもある意味、昔の記憶の湧き出しだと思います。すでに忘れているであろうフレーズや単語が、覚えたてかのように思い出される現象は、本当に謎現象です。

 

脳の記憶の仕組みってどうなっているのでしょうか。もしかしたら覚えていないのではなくて、深い部分では覚えていて、それを引き出す部分が弱いだけとか。

 

パソコンで言うと、記憶しているハードディスクと、それを一旦引き出す場所であるメモリのような関係が脳内にもあるのかもしれません。

 

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次に。

 

イメージと単語で覚える方法と、全然覚えられない単語を繰り返すことで覚えていく方法のどちらが効率的に覚えられるかの実験をした結果。

 

わかりやすく言うように、前者を絵記憶、後者を文字記憶で表現します

 

私の場合は、イメージ図と単語がセットになっている絵記憶が圧倒的に覚えやすいです。

時短という観点から言うとこっちに軍配。

でも、ひたすら間違い続けて正解を見続ける文字記憶も、20から30回くらい間違ったところで、確実に覚えていきます。

時間はかかるのですが、思考回路に浸透するのはこっちの方法。

表現は違っているかもしれませんが、深度が違う感覚です。

 

文字記憶は、イメージもなくて、単語の並びも初めて見るものなので、パターンを覚えていきながら思考をしているのが自分でもわかります。

絵記憶は、絵と文字、そして音がセットになっているので情報量が多く思考を挟まずに覚えていく感覚です。

 

私たちが日本語で会話するときに、イメージしながら話すことはほとんどありません。

駅に行きたいのですがと言う時、駅のイメージとか歩いたりするイメージをせずに、駅に行きたいと考えているような。ちょっと表現が違うかもしれませんが。

 

ポーランド語もチェコ語も、英語もイタリア語も、表現方法は無限にあるので、絵とイメージでは表現方法が固定されてしまいます。

 

ポーランド語で、“行きたい“と自分の願望強めに言うときは、

Chcę jechać do lotnisko

“行きたいのですが“と伺うように言うときは

Chciałbym dostać się na lotnisko

これを絵とイメージで覚えることは少し難しいです。 

 

Jechać は手段を必要とする移動であったり、歩きでいく場合は違う単語だったりするので、日本語と違い、いろんな設定を考えながら表現する必要があります。だから単語の種類が多い。なので、思考を伴う記憶は文字記憶が有利。でも、このトレーニングは、心身のストレスが異常で、個人的にはあまりしたくない。けどしなければならない。今はこの無限ループを右往左往してます。

 

間違いとかではないのですが、多分スラブ語をマスターしていったら、日本語と同じようにこの表現の方がしっくりくるなと感じる状態が訪れると思っていますが、現段階では、雲の上です。

 

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最後に、繰り返しの威力について。

 

絵記憶も、文字記憶も、一定の繰り返しが必須です。前者が時短であるだけで、どちらも繰り返す必要があります。なんか洗脳されているのか、たくさんの表現を知っていたり、たくさんの単語を知っていることが良いことと思う節があるのですが、それは間違いだと感じることが多くなってます。

 

単語もフレーズもどちらも共通する記憶の段階があります。

 

1、知らない

2、知っている 

3、知っているけど覚えていない

4、覚えている

5、覚えているけど使えない

6、書いて使える

7、書いて使えるけど話せない

8、話せる

 

理想は、8を増やすことですが、学習初期は、2から5を行ったり来たりするので、なんて無能なんだ! と都度芽生えるのがこの段階。

 

6、7が増えてくると、リーディングができるようになります。この時は、すでに思考回路に浸透しているので、日本語を介さずにやり取りができるようになります。

 

チェコ語を学び始めた2019年に、日本語を介さずに理解する感覚ってどんなだろってずっと思っていましたが、これを説明するのは難しい。これを説明できたら革命かもしれません。

 

例えるなら、自転車に乗る練習とか車の運転に似ています。

 

今はATが多いですが、私が免許を取った時は、まだMT車が多かったので、MTを運転するなんて、どんだけミラクルな動きをするんだと思っていました。でも、今は何も考えずに運転することができます。MT初心者に、いつの間にか頭で考えずに勝手に体が動くようになるからと、とても無責任な指導をしていましたが、言語もその感覚に似ています。

 

今はできないけど、いつの日かできるようになるから。

この魔法の言葉に反応するのが、自我ですから厄介。

で、それはいつなん? って必ず言ってきます。

そいつとの闘いが、言語学習の本当の姿かもしれません。

 

もうすぐ脳の大規模アップデート。

そういえば、ポーランド語を学び始めて、1年。

日本人42年やっているのとは訳が違うから、気長にスラブ語をマスターします。