ビール、チェコ語、ポーランド語

A record of my love for beer and languages

正解を求める、心について

この世界には、さまざまな方法論があります。

これが最終解だと言わんばかりに、いろんな広告がありますが。

 

大人になれば、間違いたくないという潜在的な恐怖が自分の人生と並走します。

つまり。正解を求め続ける自分がいるということ。

 

そして、これが言語学習の最大の敵だと思います。

 

例えば。何かの言語学習アプリをインストールしたとします。

そのアプリを起動すると、

“このアプリで言語学習はうまくいきます“

みたいな字面が出てきて、ワクワクしますね。

 

いざ起動したら、いきなり。

 

男性と女性の単語を覚えさせられて。

テストが始まります。

 

男性とは?

 

そして、間違うと。。。

 

点数がどんどんひかれていって。

その点数を満たすために、課金してくだされば…

これは何か特定のアプリについて言及しているのではなく。

ほとんどのアプリがこのシステムの中で動いています。

 

“私は男性です“

 

と言うことの表現や単語を間違ったことで、私のモチベーションは上下するのでしょうか。

 

そして、私の心は考えます。

間違えたくない。

 

そして

フラッシュカードを使って。

覚えているふりをして

永遠に覚えることのない単語の練習を続けます。

 

自分がダメだと、感じたくない。

 

この思考回路がなくならない限り言語学習はうまくいかないと思います。

 

ポーランド人のパートナーができてから、この4ヶ月、本気で言語学習って、なんなんだと考えた結果。自分がどのタイミングでも、間違わない世界を求めていることを知りました。

 

違う言い方をすれば。

あらゆるテストを完全に近い点数で乗り切りたい欲求というか。

 

でも、真実は逆で。

人間は、というか脳みそは、間違った時に覚えるシステムでした。

 

ある時、あらゆる間違いに気が狂いそうになりそうで。

どうしてこんな苦行をしているのだろうか自分に問いかけたところ。

こんな質問が自分の中から返ってきました。

 

言語に正解はないのに、なんで正解を求めているの?

受験生か何か? 点数が悪いと悪いの?

 

と。

 

私は必死で反論します。

だって、点数が悪いと次にいけない。

 

すると。

 

次に行くことが目的なの?

 

数分間自問自答して。

 

間違い続けることが正解なのかもしれないと気づいてからbreakthroughが起こりました。

間違い続けると、なぜか覚えます。

正解を求めず、間違いと向き合い、ずっと間違い続ける。

答えを見たくてもみずに、自分の脳だけを信じる。

覚えていなくても、覚えている部分だけを答えに入力する。当然不正解です。

 

でも。

 

この練習をすると。

覚えた単語を忘れないという現象が発生します。

正解→次

ではなくて、間違い→留まる

 

私たちは、6歳とか7歳で、義務教育の現場に投入され。

正解か間違いか、点数がいいか悪いかの世界で思考回路をぶっ壊されます。

 

そして、10点より95点を素晴らしいと思うようになります。

何も根拠がないのに。

 

95点ばかり取得して、日本最高の大学に入学したとしても。

危険な毒薬を製造して、15年後に死刑になる人もいるんです。

 

幼児は天才かもしれませんが。

幼児の天才性の本質は、ずっとやっていることじゃなかなと。

 

大人になると

うまくいかなかったらうまく行く方法を探す知恵を最大限に発揮して、

うまくいかない事態を回避します。

そして自分があたかも賢いかのように振る舞うわけです。

 

どんなに間違っても。

どんなに点数が低くても。

 

ずっとやっていることが、最強。

 

映画評論家になりたい人が、ずっと美味しい料理を求めていたら。

料理人になりたい人が、ずっと釣りに行っていたら。

 

それは無理だろって素人でも思えるのに。

自分の人生においては、そんな素人でもわかる真実が見えなくなります。

 

彼女と話すために、何が最短なのか。を考えたところ。

 

“私は、りんごを買わなければなりません。“

 

を覚えるよりも大切なことがあるような気がしたのは数回前にここで書いたとおりです。

 

このブレイクスルーは人生の中で、右手の指の数くらいに入るくらいに衝撃的でした。

 

正解の量産より間違いの量産が正解なのね。

という事実。軽くなった心。脳が、スパークするのを感じること。

なんだ。言語って簡単じゃんって極論を発動するレベルです。

 

言語学習は、文法や語彙などの単体ではなく複雑に連動したものです。

椅子から立ち上がる時に、自分の身体のいろんなところを必要としていることは、その部分を負傷したりすると気付きます。

 

語彙力だ、リスニングだ。スピーキングだ。

ではなく。

 

1)1日2時間だけ、言語を学ぼう。

2)間違い続けよう。

 

このマインドセットで、私のポーランド語の成長率は、他の言語を一瞬で抜き去りました。

 

チェコ語、どこいったん?

と、自分でもツッコミたくなるのですが。

その遍歴を追えるからブログって楽しい。

 

今は、ジブリ映画のラピュタのムスカ大佐のように、興奮してます。

 

年末年始にポーランドに行けるかは、飛行機次第ですが。

ポーランドに行ったら、間違いなく隣国チェコに行くわけです。

 

人生って面白い。