ビール、チェコ語、ポーランド語

A record of my love for beer and languages

言語学習と楽しさについて

現在はそのトンネルを抜けましたが、言語学習を奥義は楽しむことだという情報と自分の本音の戦いはかなり長期戦でした。

 

言語を学び始めた頃、全然楽しくなくて。学生時代のあの悪夢が蘇るような感覚になりました。新しい言語を学ぶということ自体はとても楽しいことなのですが、それはチャップリンが言ったとされる

 

“人生は短期で見ると悲劇だが、長期で見ると喜劇だ。“

 

のように、学び続けて、少しずつわかってくることは本当に楽しくて言葉にできないくらいの感動があるのですが、日々のトレーニングで「おお! これはめちゃ楽しいぞ」となることはあまりありませんでした。

 

なのに。動画やウェブでは、言語堪能な人は、言語学習を楽しんでいる。という情報が溢れております。

 

何をどう楽しめばいいのかが全くわからない中で、一筋の光さえ見えないながーいトンネルを歩いている感覚。私が5年前に行ったことは、自分をロボットだと勘違いさせる方法です。いちいち感情を入れていては持たないと思ったのです。

 

右も左も、どころか。前も後ろも、上も下も、わからない状態で。

参考書、アプリ、動画。

何を見ても、全く意味不明で。

思い返せば、英語もほとんどわからない中で、チェコ語を学び始めたので当然ですが、当時の私はそんなことは考えていませんでした。何か無敵の根拠のない自信に満ち溢れていたわけです。

 

ずっと頭に入れていたのは、幼児がカタコトの母国語を話し始めるのは、1年半から2年くらいだから、それまでは何も考えないようにしよう、と。

 

全くわからない状態から馬力だけで突き進むのは楽です。

楽しむ、楽しまないに関係なく、ただひたすらその時間を割けばいいからです。

 

そして。

初級を脱するか、しないかなくらいの時の苦しみというか壁は今でも覚えているくらい辛いものでした。それは、私がこれまで学んできたり、今も学んでいる言語にも当てはまります。

チェコ語、英語、イタリア語、ポーランド語、全てに当てはまります。

 

基本がわかるし単語も2000くらい知っているのに、応用になると全くわからないという、謎の溝がとても深く。

 

これほど苦行と感じるなら、もう全部辞めてしまいたいって思った頃もあります。

言語を楽しむ? そんなバカな。って思いました。

 

この課題というか、壁についてその本質をずっと考えていたわけですが、ある時、ふっと軽くなる出来事がありました。

 

それは。

 

「情報」と「比較」です。

 

この比率が、

 

言語学習 < 情報 &   比較

 

になったときに訪れる自我の暴走が、楽しめない原因だと気がついてから、言語学習を楽しめない状態から抜け出すことができたのです。

 

人間は個々の能力の差よりも、比較の差で自分を苦しめます。

人間の能力なんていうのは、一部の天才を除き、ほとんど同じです。

 

私の言語力が伸びたと感じたのは、言語系YouTuberを見なくなってからでした。

有益な情報を知りたいですし、最短距離を歩きたいわけです。自我は、負けるの嫌いだし。

ところが、この「知りたい」が厄介です。

 

言語のトレーニングって、「知る」ではなくて「着る」のイメージです。

頭の中に情報を叩き込むのではなくて、クローゼットから服を取り出して着るイメージ。

 

<この方法で、私は○○年でペラペラ>という情報は、苦悩している私たちの希望の光のように感じます。当然です。

 

しかし。

 

その情報を見ているということは、反対側に存在するのは、<出来ていない自分>です。

情報と比較が自分の中に一定数積み重なり、閾値(超えてはいけない数値)を超えると、ストレス爆発というカラクリです。それが過去の私でした。

 

それ以降、情報を求めているな、と感じたら、自分の今の現状に満足していないことを認識するように思考回路を切り替えると同時に、全ての情報をシャットアウトしました。

 

そうすることで、自分の行動に対して誰かと比較したり、情報を求める思考がなくなるので、行動自体に集中することができます。結果、余計な思考に自分のエネルギーを取られることがなくなりました。

 

日本人として、ずっと接してきた日本語以外の言葉を学ぶのは、正直大変です。

でも、大変なことに取り組むことについては、私は大丈夫です。

 

しかし。

このままずっとこのレベルのままだったらどうしよう。とか。

私には才能がないんではないか? もしくは、適応障害か? みたいな自我のディスが現れた時、どうにも不安定になっていました。

 

そして今。

いつからそうなったのか、覚えていないのですが。

 

楽しい、楽しくない、成長、停滞。

これらのキーワードが自分の中から消えて。

 

1、誰とも比較しない。

2、どんな情報よりも、自分の今日のトレーニングが最強だと信じる。

3、言語学習を、「息するレベル」に昇華させる。

4、理解したい願望を無くす。理解は後から。

 

に変わっていました。

それから先の、私の言語レベルの飛躍はunbelievableです。

 

精神論のようですし。

昔から皆が言っていますし。

答えは、外ではなくて自分の中にあるということなのでしょう。

 

めちゃくちゃお腹が空いているのに、昼ごはんを楽しめない。

そんなことはほとんどありません。

言語学習を楽しもうとする時点で、楽しめない反対側を無意識に生み出します。

 

今は毎日、ポーランド語の小説を黙読アンド朗読しています。

これがものすごい効き目。

 

2024年も、後半戦。

なんとなく直観で、海外長期旅行予定が2026から2025年になりそうな気がしています。

 

いまだにチェコは大好きだし、ポーランドは隣国だし。

この、スラブ系の魅力ってなんでしょう。

ロシアも、ウクライナもスラブ系…

この辺りの話は、また別のこと.

 

PS

今週の、ポーランドズロチと日本円の為替、イカれてる。