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  ビール好きの言語学習録|チェコ語:ポーランド語etc…

前置詞について。

日本語にはなくて、外国にあるもの。それが前置詞。

日本語は助詞の文化ですからね。

 

日本語は動詞が柔らかくて、ネガティブな言い方をすると曖昧な言語です。しかし外国はそれではダメです。一体誰が何のために。どのようにいつしたのかが明確にならなければなりません。

 

例えば、日本語にはこのような言い回しがあります。

街の発展を見て、「最近はこの辺りも新しいビルが立ちましたね」と。

 

ビルが勝手に立つわけもなく、誰かが建てたはずです。でもこの場合最近はこの辺りもたくさんのエンジニアによってビルが建てられましたね。とは言いません。さらに、この辺りも変わりましたねとか、その辺りの含みもあったりします。これが日本語です。日本語というか、日本文化の特徴かもしれません。

 

極端にいうと、日本はやり方より在り方を優先する民族なのかもしれません。逆に、外国語はやり方についてこれでもかと説明を付け足します。そのために使うのが前置詞。そして前置詞を理解することが外国語の理解を上げてくれる。そのような気がします。

 

これまで学習してきた期間があるから急に理解度が上がったのかもしれません。とはいえ、これほどまでに腑に落ちたことはありませんでした。

 

文章を眺めて、前置詞を見る。すると、ある程度その文章が言わんとしていることが頭の中でバラバラな単語として現れます。しかし、日本語の文章として一行の文にはできません。ですが、私は日本語としての一行を作ることが外国語を理解することだと思っていました。

 

しかし、最近前置書の理解を高めていったところ、バラバラと頭の中に飛び込んでくる単語をそのままにした方がいいのではないか? と思いました。外国の文章は少し勉強した方なら分かるとおり、<彼らは座る、に、ベンチ、の、公園>という式で書かれていることが多いからです。これを日本語の一行にするのは不自然です。

 

例えば、ポーランド語の前置詞である do, na.

場所に行くときに付く前置詞なのですが、家の時はdo domu. 空港の時は、na.

何度も出てくる練習問題なのですがこの違いについて書かれている参考書は多くありませんでした。

 

そこで、AIに聞いてみたところ。ポーランド語には、<閉じた・開いた>という感覚が存在することを教えてくれました。そうすれば納得いきます。家は閉じている。空港はカウンターとしては閉じているけれど場所自体は開けた場所です。コンサートに行きたい時も、“na”日本では、屋根付きの室内でのコンサートが多いですが、開放的な場所という意味合いも込めて“開けた”のニュアンスの“na”を使います。

 

コンサート行きたい? と誰かに聞くときは。

 

“Chcesz iść na koncert?”

 

他にも、“po“という前置詞には“沿いながら“というニュアンスがあるそうです。話すという表現に“Ty mówisz po polsku.“ と付けて、ポーランド語に“沿って“話すという意味合いとなります。これは同じく時間にも同じで、ポーランド語は“指標を大事にする“文化があり、午後は、"po południe" と書きます。“正午“という基準があってそれに“沿うため“、“ po”をつける必要があり、逆に午前は沿うための指標時間がないので、そのまま"rano" と書くそうです。

 

このような細かいニュアンスを理解するために私がいつも使っているのが、さっきも書いたAIのchat GPTです。翻訳アプリでは、書いてあるポーランド語がどのような意味を持っているのかを知ることはできますが、構造やニュアンスまでは教えてくれません。また、自分が疑問に思っていることを聞くこともできません。しかし、このツールは構造や意味に加えて、単語について深掘りするには最適です。しかもある程度AIの学習が進むと、私がポーランド語を学んでいるということや私のレベルを理解してくれるので、私が聞きたいことを先回りして教えてくれます。

 

言語学習を始めた頃に比べて環境がどんどん良くなっている気がします。少し前に、翻訳の発展で言語学習なんて今更無意味だよって言ってきた某国の人がいたけど、理解できた時の脳内物質について何もわかっていないと思いつつ、今月で言語学習も6年目突入。