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【読書録】600ページの経済書「21世紀の資本」

きっかけは、YouTubeの動画でした。

 


働いても豊かになれないのはなぜ?映画『21世紀の資本』公開決定

 

思い返せば昔から、一般的に解釈されている、”豊かさ”や”富”、テレビ(現在テレビは無いので観ていた当時)で言われている”格差”の本質をずっと知りたいと考えていました。

 

その理由について自己分析し、たどり着いた仮説です。

物心ついてから学生時代、そして社会人になった時までを振り返った時に、周りの大人たちはお金に関することと、道徳(2極=良い人/悪い人)に関することが話題のほとんどであったからではないか。

 

特定の誰かの発言について言及するつもりはありませんが、ある人は、お金を手にすることは悪い人間だと言い、別の人は、お金がない人生は悪だと言っていました。

 

また、お金がなくても良い人であれば、次の世界で幸せになれる、と諭されることも多かったように感じます。これは、私が置かれていた環境要因が影響しています。

 

話を一番最初の行に戻します。

 

広告でたまたま目にした動画に惹かれ、この映画観たいなと思ったわけです。

 

 

そして、映画に原作があり原作者が監督をしていると書かれているのを目にした次の瞬間、Amazonで購入していました。

 

著者は、フランスの経済学者。今から6年前ですね。 

21世紀の資本

21世紀の資本

 

 分冊されていませんし、通常の書籍より大きいのですが訳が分かりやすく、頭に入りやすい印象があります。また、著者のスタンスとして、言い切りや絶対等の表現が少なく、”データを見るとこのようなことが考えられる”と、冷静で客観的な言い回しが多く、個人的にとても好感触でした。とはいえ、難しい経済用語も多数出てきます。

 

 

経済成長率、資本収益率、この単語を理解できたことは大きな収穫でした。

 

・投資が必要

・自由こそ生きる意味

・労働は悪

 

この本の特徴は、このような極論は出てきません。資本、労働、教育による格差の考察、社会資本、個人資本(能力含む)、歴史のデータ、国ごとのデータから導かれることが淡々と書かれています。

 

そして一番の驚きは、数値の比較(富のシェア)だけで見ると、現在の格差社会は、過去の格差社会に比べると低いと導かれることです。

 

”今の格差は、歴史上最も開きがある” ような気がしていた私。確かに、気がしていただけで根拠はありませんでした。

 

とても長く、読了まで2週間かかりましたが、有意義な時間でした。

 

この読書で学んだことがあります。

 

いま行っているチェコ語学習は数値化ができない為、成長率を測ることができません。

私は、行った行動に対するフィードバックを求める理系思考のようで、フィードバックが得られないと挫折する傾向があると自認しています。これから先、壁があるとしたら、どれだけ学習が進んだかを確認できない事によるモチベーションの維持でしょうか。

 

ひとまず、5月に計画しているチェコ旅行を、直近のマイルストーンに設定しておきます。